個展作品番号9「砂上のフェネック」(取材地エジプト)
エジプトの思い出はピラミッドやスフィンクスなんかの遺跡ももちろん悪くはないんだけど、やはり白砂漠での野営が一番印象深い。
海外でキャンプするって言ったって道具的な問題もあるし、治安的にテントを張ってもいい場所なのか?等ハードルは高い。
この時のキャンプは古いランドクルーザー1台とそのドライバーが1人。
キャンプと言っても所謂テントなんか無い。横風を遮る大きな布を張るだけで雨は降らないと確約されているのか?天井には何も無い。まぁ野宿と言っていい。
ドライバーが言うには「夜になると残飯目当てにフェネックやガラガラヘビ(毒蛇)が来るかも知れないよ」
こんな状態で寝れるのか?それが結構寝れてしまうのがニンゲンのいいところ。夜中に寒くてトイレに1度だけ起きた。(もちろんトイレなんか無い)
見上げれば満天の星空にいくつも流星。
寝床に戻ろうとすると暗闇に眼を光らせてフェネックが現れたのでしっかり写真におさめた。
そして足元の砂地には毒蛇が通ったような形跡が…と見えなくもない。
ち、違うよね?などと考えてみても結局夜が明けるまでぐっすり寝た。
ニンゲンはいい。