今回は道中にまつわる「旅の本」の話です。
特に長い旅の際は日本語が恋しくなります。
旅人同士、お互いに読み終えた本をどんどん交換しながら旅を進めていきます。
または宿の本棚から一冊頂き、自分の読み終えた一冊をそこへ置いて行く
ということもあります。
その中でたまに本の表紙の見返しに「○○年○○月○○日@地名、自分の名前」
の様に読了した日にち場所なんかがズラッと手書きで記載されていることもありました。
さながら「旅する本」といったところでしょうか。
この「旅する本」で最も多く私の手に巡って来たのがなぜだか?赤川次郎作品でした。その時に赤川作品に初めて触れましたがすごく読みやすく、なるほど流石ベストセラー作家だなと。
ある時は旅先で出会った外国人が教えてくれた連絡先メールアドレスに「midori」とあり、わけを訊くと「ノルウェイの森/村上春樹」の登場人物の名だという。 さすが世界のムラカミ。
このように旅の途中で色々なきっかけがあったり、出会った方々のおススメの本を聞いて 帰ってから読み漁ったりしました。
本とは違うけど安宿のゲストノートを読むのもまた楽し。
いわゆる宿帳ではなく宿泊者が自由に何でも書き散らかせる自由帳。
だいたいはその町の美味しい店、安い店、安宿、観光情報、自身の旅のルートなど有益な情報が多く得られて良いのだが、それとは関係なく「旅の恥は…」じゃないけど今後会うこともない読者を想定して書いているのか?かなり赤裸々に、ぶっちゃけて書いている人がたまにおり面白い。
内容は長旅の不安や帰国後のやりたいこと、愚痴、どうでもいい馬鹿話など様々だ。
「世界の安宿ゲストノート傑作選」みたいな本があったら是非読んでみたい。