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執筆者の写真イヨダタツヤ

バックパッカー前夜


 前回まで初めての海外バックパッカーデビューした街「クライストチャーチ」について書きましたが、今回はそれ以前の個人旅行に興味を抱くきっかけついて書きます。


切り絵を始めるきっかけの項で出てきたM君をどうにもならんバンド道に引きずり込んだのが私なら、旅の世界に私を引きずり込んだのはM君の方だ。

そう考えると私だけが感謝しないとイケナイかも知れない(笑)


バンドメンバーが定まらずどうにもならん時期にM君はオートバイを駆って北海道で数ヶ月を過ごし、帰って来てから私に会うごとに北海道の素晴らしさと旅の魅力を悪魔的に語るのでついに1人用のテ    ント、寝袋、60Lのバックパックを購入。


私は仕事を数ヶ月も休むことは叶わなかったが、ゴールデンウィークを利用して関心のあった沖縄へ飛ぶ。


さて現地の移動手段をどうするか?原付や自転車を沖縄まで運ぶわけにもいかなかったので、徒歩で行ける所まで行くことにした。


午後に那覇空港に到着。

いきなり今夜の寝床が無い。夜になり国際通りにある喜納昌吉氏のライヴハウス「チャクラ」でチャンプルーズのライヴを観た。

それから近くの映画館に入りレイトショーで居れるまでそこに居た。この時上映してたのが「恋に落ちたシェイクスピア」、ロミオとジュリエット。あまりにも一人旅の気分とは落差のある内容だったので今でもこのタイトルは覚えている。


翌朝五時台の始発の市バスに乗り込み、一番奥の席へ大荷物と共に座る。

一晩中、繁華街で遊んだ米兵達が乗り込んで来る。

彼らは途中の基地の前で降りて行った。小銭を用意するという概念はないらしく

降車時の支払いにすごく時間がかかっていたのが印象的だった。


私は名護でバスを乗り換え、本島最北端のバス停まで行きそこから国道58号線を

南へ歩き始めた。

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